肩こりに悩んでいるなら、肩ではなく胸をほぐせ!
パソコン作業やスマホの長時間使用により、肩こりに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
当院にも多くの肩こり患者が訪れますが、中には 頭痛や吐き気を伴い、日常生活に支障をきたすほどの重度の肩こり の方も少なくありません。
そうした患者さんに「つらいときにどう対処していますか?」と尋ねると、次のような答えが返ってきます。
•マッサージ店で肩を重点的に揉んでもらう
•自分で肩を揉む
•首から肩にかけてストレッチをする
•湿布やサロンパスを貼る
さまざまな方法を試しているにもかかわらず、効果を感じられないという声が多く聞かれます。
その理由は、肩こりに対する 誤った認識 にあるのかもしれません。
肩こりの正体とは?
肩こりは 筋肉の緊張 によって引き起こされますが、この緊張には 2種類 あることをご存じでしょうか?
1.短縮緊張:筋肉が縮こまり、硬くなっている状態
2.延長緊張:筋肉が引っ張られて張っている状態
肩こりの主な原因は 延長緊張 によるものです。
これは、 ゴムを強く引っ張り続けているような状態 とイメージすると分かりやすいでしょう。
この状態で肩をマッサージしたりストレッチをすると、かえって症状が悪化する可能性があります。
一方、 短縮緊張 している筋肉には、マッサージやストレッチが効果的です。
肩こりの原因は「猫背」
肩こりに悩んでいる方は、ほぼ例外なく 猫背の姿勢 になっています。
猫背の状態では、 胸や腹筋の筋肉が短縮緊張 し、 背中や首の筋肉が延長緊張 してしまいます。
つまり、 肩こりの解消には、首や肩をほぐすのではなく、短縮緊張している「胸の筋肉」をほぐすことが重要 なのです。
肩こりを改善するための簡単なセルフケア
YouTubeなどで「肩こり 大胸筋」と検索すると、胸の筋肉をほぐす方法やストレッチが多数紹介されています。
その中でも、当院で患者さんにおすすめしている 2つの簡単な方法 をご紹介します。
1. 大胸筋マッサージ(胸の筋肉をほぐす)
【方法】
•脇の下あたりの胸の筋肉をしっかりつかみ、揉みほぐす
•親指以外の4本の指で筋肉を 肋骨から剥がすようなイメージ で力を加えると効果的
この方法はとても簡単ですが、多少の痛みを感じることがあります。
2. 大胸筋ストレッチ&マッサージ
【方法】
•壁に手をつき、体を反対方向にひねって大胸筋をストレッチ
•ストレッチを感じる状態で、反対側の手で胸の硬い部分をマッサージ
• 片側20〜30秒ずつ行う
この方法は、YouTubeなどでも多くの専門家が紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
• 肩こりのときに肩や首をマッサージやストレッチするのは逆効果 になることがある
•猫背が肩こりの大きな原因 なので、普段から姿勢に注意することが重要
• 猫背になると胸の筋肉が短縮緊張 するため、肩こり解消には 肩ではなく胸の筋肉をほぐすことが効果的
肩をいくらマッサージしても改善しない肩こりに悩んでいる方は、一度 胸の筋肉をほぐすケア を試してみてください。